第2章 危険性が高い


●体験済みの女子には逆効果

ヒトパピローマウィルスに既に感染してしまった人が、ワクチンを接種しても、効果はないとされる

そのため、性交経験のない女の子への接種が推奨されていて、小学6年から高校1年までが接種勧奨の対象になっている。
しかしその中にもすでに体験済みの女の子がいる可能性があるよね。そうした場合、効果がないだけならいいが、逆にがんになる確率が高まるとする研究もあるんだよ。

うちの娘に限って

●アジュバント(免疫増強剤)の危険性

また、最近のワクチンには有効成分のほかに、効果を長く持続させるためのアジュバント(免疫増強剤)というものが、いろいろ添加されている。その成分にもさまざまな問題があることを知っているかな?

アジュバンドが曲者

たとえば、サーバリックスに添加されている「水酸化アルミニウム」は、細胞や神経に対する毒性が疑われていて、脳にダメージを与える恐れが指摘されている。アメリカ小児科医アカデミーも、アルミニウムが細胞組織や代謝プロセス、神経系統を損なうことに関与している、と述べているよ
アルミニウムが脳にダメージ

●副反応の発生率はダントツ

そして実際に、子宮頸がんワクチンには、多くの副作用があることが報告されている。
どんな種類であれワクチンに副作用は付きものなんだが、子宮頸がんワクチンの場合は特に発生率が高い。その率はこれまでの子ども向け「定期の予防接種」の約7倍、インフルエンザワクチンのなんと40倍ほどにものぼる。

◆グラフ:副反応発生率の比較(100万件当たりの発生件数)

グラフー副反応はこんなに多い(1)

参議院厚生労働委員会2013年3月21日、とかしきなおみ厚生労働大臣政務官答弁 YouTubeでも視聴可能

 

◆グラフ:副反応発生率の比較(インフルエンザワクチンを1とした場合)

副作用はこんなに多い-2

出典:参議院厚生労働委員会2013年3月28日、はたともこ議員質疑 YouTubeでも視聴可能

 

2009年から2012年12月までに、全国で延べ829万回、ヒトパピローマウイルスワクチンの接種が行われ、厚生労働省が把握している限り、1926例の副反応が出ている。そのうち重篤な副反応は861例にのぼる。
重篤な副反応の発生率は厚労省のデータから計算すると、10万回当たり10.4回。しかも、1人が3回接種することを考えたら、副反応が起こる確率はその3倍近くになるはずだ。計算すると、10万人あたり31.2人の重篤な副作用被害者が生まれることになる。これは3205人に1人の割合だ。
重篤な副作用の発生率

出典: 「子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の副反応報告状況について」および「子宮頸がんワクチン(ガーダシル)の副反応報告状況について」厚生労働省 2013年3月13日より計算 資料の見方と詳しい計算方法はこちらを

しかも、実際には、重篤な副作用はもっと多い可能性もある。ワクチン接種後数週間してから具合が悪くなるケースもあり、本人ですらワクチンが原因であるとなかなか気づかない場合もあるからだ。
また、医療機関から厚労省への報告はこれまでは義務ではなかった(2013年4月予防接種法改正に伴い義務に変更)ので、実際にはこの4~5倍あるんじゃないか、とワクチン問題を憂慮する宮城県の医師、佐藤荘太郎氏は見ている。

実際は千人に1人が重い副作用

 

●驚くべき副作用の実態

厚生労働省の報告書から副反応の例を見てみよう。疼痛、じんましん、発熱、おう吐、頭痛、めまい、倦怠感、感覚麻痺、痙攣、血圧低下、チアノーゼ、脳波異常……。失神する例も相当に多い。失神して倒れて骨折したり歯を折ったりといった例もある。アナフィラキシーショック(重いアレルギー反応)で呼吸困難や呼吸停止に陥ったような例もかなり報告されている。しかも、こうした副作用は一過性のものとは限らない。筋無力症、ギランバレー症候群、複合性局所疼痛症候群、全身性エリトマトーデス、散在性脳脊髄炎、多発性硬化症などの難しい病気になって、接種後ずっと苦しんでいる子もたくさんいるんだ。

副作用

「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」には、そんな少女たちの親から生々しい報告が200件以上寄せられている。
ひどい頭痛は、まるで金づちで殴られるよう、あるいはアイスピックでかき回されるよう、と訴える少女が数多くいる。
体中の関節が腫れて痛み、手足を動かすのも辛いという子も多い。病院に行くとリュウマチを疑われるが、検査の結果はそうとは出ない。
激しい痛みが、今日は足首、今日は肩、次は腕、次は肋骨、というように、次々移動していく、という話もよく聞かれる。
接種後何か月経っても、痛みの辛さからか毎日のように意識を失って倒れる、という子もいる。
不正出血があったり、生理が止まってしまった、というケースも多い。
筋肉の力が弱まり、ペットボトルのふたも開けられない。箸も茶碗も持てない。歩けない、立てない。

車椅子

普通に歩けなくても懸命に学校に通おうとし、校舎の1階から3階まで30分かけてのぼっているという女の子もいる。
接種後数か月はほとんど1日中痙攣していた、横になって体中をビクビクと痙攣させているさまは、まるでまな板の上の魚が跳ねるようだ、と表現するお母さんもいる。
自分の名前もわからなくなったり、簡単な漢字も読めなくなったり。割り算ができなくなった、という子もいれば、なぞなぞ等がわからなくなったという子もいる。記憶力が落ちたり、以前のことが思い出せない、というケースもある。
高校受験を控えているのに、勉強どころではなく、将来を考えると絶望的な気持ちになるという声も多い。
光がまぶしい、視野が狭まる。あるいは視力がどんどん落ちて行って、失明の恐怖に脅える子もいる。
おしゃれをしたい盛りの時期なのに、首から下の皮膚がまだらにアザのように変色してしまい、半袖が着られないという子。あちこちにイボができて困っている子。髪の毛がほとんど抜けてしまったという子。

寝たきりになって、学校に何か月も通えない子もいれば、1日行って2日休む、といった状態の子も。一応学校には通えるものの、かばんを持つ力がないため、キャスター付きのキャリーバッグを転がして行く、という子もいる。
さまざまな症状に苦しめられているのに、検査をしてもどこにも異常が見つからず、ワクチンが原因だと思う、と訴えても、それを医者が認めようとしないケースも非常に多い。無理解な医者に、「心の病だ」「学校に行きたくないからでしょう」「入院するなら精神科ですね」などといわれ、精神的にも傷つけられ、二重に苦しんでいる被害者もたくさんいる。
現在、副反応被害を治療する有効な方法は確立されておらず、彼女たちはもしかしたら一生「「金づちで殴られるような」痛みに苦しみ続けなければならない可能性もある。一生金づちで殴り続けられるより、子宮頸がんで死ぬほうがよっぽど楽だと思う、という人もいる。
こうした症状を苦にして自殺を図る子もいれば、「動物だって苦しんでいるときは始末するのに、どうしてわたしを始末してくれないの(=殺してくれないの)?」と親に訴える子もいる。
そのほとんどが、ワクチン接種前には健康に何の問題もなかった女の子たちだ。小学校からずっと皆勤賞だった子、スポーツ選手として国体で活躍していた子……健康で希望に満ちた彼女たちの人生は、ヒトパピローマウイルスワクチンによって一変してしまった。
「わたしのせいで、この子の健康を台無しにしてしまった」と自分を責める母親の中には、場合によっては無理解な夫や姑からも責められて、「子どもと一緒にわたしも死にたい」という人もいる。
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会にかかってくる電話の内容の多くは、とても涙なしには聞けないという。

サーバリックス接種後に死亡した例も日本で1例ある。
アメリカではガーダシル接種後に死亡した例が、133人にものぼっている
あまりにもひどいこの被害の現実を、ぜひ心に刻んでほしい。

●高い抗体価を狙ったワクチン設計が免疫系を破壊する?

通常の予防接種の対象になる水痘、麻疹などのウイルスは、感染した場所でまず一時的に増殖し、それから血液にのって全身に広がり、さらにさまざまな臓器で増殖することで病気が発症するといわれる。なので、血液中にそのウイルスに対する抗体があれば、ウイルスの活動を封じ込めて、発症を防ぐことができると考えられている。つまり、感染を予防するわけではなく、発症を予防するわけだ。

一般的なワクチンとHPVワクチン

それに対してヒトパピローマウイルスワクチンは、発症ではなく感染自体を予防するとされる。ヒトパピローマウイルスは、感染しても一時増殖はせずに、潜伏・持続感染の状態となる。そのため、抗体が常に生殖器の粘膜に存在して、感染を防がなければならない。けれども、ヒトパピローマウイルスワクチンでつくられる抗体は、血液中にしか存在できない。血液にしか存在しないはずの抗体が、粘膜の表面でウイルスを撃退できるのは、抗体が血液から粘膜上に浸み出すからだ、と専門家は言う。浸み出すことに期待するという特殊な事情から、またがんという長期間かけて成長する病気を防ぐ必要性から、このワクチンは特別に抗体価を高く保つように設計されているらしい。サーバリックスを接種した場合、1回目接種の4年後で、ヒトパピローマウイルス16型の抗体価は、自然感染した場合の43.1倍、18型は20.9倍もあるという。
しかし、感染を防ぐためにどれだけ高い抗体価が必要なのかはまったくわかっていない。そのことはメーカーが添付文書ではっきり述べていることは既に見たとおりだ(第1章参照)

こうした特別に高い抗体価を維持すべく、ヒトパピローマウイルスワクチンにはアジュバント(免疫増強剤)が2種類も添加されていて、人の免疫システムを最大限に刺激するようになっている。しかし、ボクらの免疫システムの処理能力には限界があるらしい。その限界を超えるとボクらの免疫システムは狂いはじめ、その機能に異常を来す。免疫とは自分以外の異物を撃退する機能のことだが、異物を攻撃するはずのシステムが狂い、自分自身を攻撃してしまうようになる。それが「自己免疫疾患」だ。

自己免疫疾患のしくみ
たとえば、自己免疫疾患の一種である「重症筋無力症」では、「筋肉を動かそう」という脳からの指令が、抗体によって妨げられてうまく伝わらなくなるという。
脳からの指令を伝えるのはアセチルコリンという物質で、それをキャッチするアセチルコリン受容体というものがある。しかし、抗体がこのアセチルコリン受容体にくっついてしまうことで、受容体がアセチルコリンをキャッチできなくなってしまうという。

筋無力症のしくみ筋力の低下は多くのヒトパピローマウイルスワクチン被害者に見られる症状だ。こうしたメカニズムが被害者の体の中でも起こっている可能性がある。
ヒトパピローマウイルスワクチンの副反応としておこる「全身性エリトマトーデス(SLE)」も「ギラン・バレー症候群(GBS)」も「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」も、みな自己免疫疾患に分類される。同じく副反応としておこる「多発性硬化症」も自己免疫疾患とする説もある。
関節が腫れあがって痛むというのもよく見られる副反応だが、それとそっくりの症状を呈する「慢性関節性リウマチ」も自己免疫疾患だ。脱毛もまた自己免疫疾患が原因で起こり得る。
アジュバントを2種類も添加し、抗体価を高く保つことを狙ったワクチン設計そのものが、逆に深刻な副作用を招いている可能性がある。

 

●遺伝子組み換え技術がもたらす危険性

このワクチンには、それ以外にも気になる点がある。それは、グラクソ・スミスクライン社製のサーバリックスもMSD社製のガーダシルも遺伝子組み換え技術を使って製造されているということだ。
サーバリックスは、「イラクサギンウワバ」という蛾の細胞の遺伝子を組み換えて、ヒトパピローマウイルスの持つたんぱく質をつくらせている。

DNA 3

illustration:Benjaminet@Fotolia

ガーダシルは酵母の遺伝子を組み換えて、酵母にヒトパピローマウイルスの持つたんぱく質をつくらせている。
しかし遺伝子組み換え技術の安全性についてはボクは大いに疑問を持っている。
遺伝子組み換え技術を使ってつくられた物質が最初に人体に入ったのは、L-トリプトファンというアミノ酸のサプリメントなんだが、これを摂取した人の中に珍しい病気になる人が現れた。
好酸球増多筋痛症候群(EMS)といい、筋肉痛、呼吸困難、咳、発疹、四肢のむくみなどがおこる病気だ。

EMSってどんな病気?

1988~89年の間に昭和電工が製造したこのサプリメントを摂取した人の中から、1,500人以上もの被害者がアメリカで生み出され、死者は38名にものぼったんだ。

「トリプトファン事件」と呼ばれる、遺伝子組み換え史上では有名な事件だ。その原因は特定できないが「遺伝子組み換えが原因であるという可能性も排除できない」とアメリカ食品医薬品局(FDA)の責任者も述べている

このサプリメントをつくるため、遺伝子組み換え微生物にアミノ酸を産生させていたわけだが、微生物はいろいろな不純物も一緒に産生する。製品にするには、それを精製して取り除かなければいけない。昭和電工製品の一時期のロットに関しては、その精製が不十分で、不純物が多く混入していたことから健康被害が生み出されたと考えられている。(しかしどんな不純物が原因なのかはいまだに解明されていない)

胃腸で消化される食品であっても、わずかな不純物が問題となり得るわけで、直接筋肉注射するワクチンであればそれよりずっと厳しく不純物の精製が行われなければならない。それなのに、このワクチンからは不純物どころか、組み換え遺伝子そのものすら発見されているんだ。SaneVaxという団体は、世界各国でガーダシルワクチンを購入して分析し、1ダース以上の個容器のワクチンに、組み換え遺伝子が混入していることを確認しているよ。

食品だって、組み換え遺伝子が残留する豆腐や納豆などは、必ず「遺伝子組み換え」と書かなければならない(ただし食用油など、製品中に組み換え遺伝子が残らないとされているものは表示義務がない)。遺伝子組換えの餌を与えたネズミの健康に悪影響がみられたという実験もいくつも発表されている。

食べて危険なものを筋肉に直接注射して、安全であろうはずがない。組み換え遺伝子を取り除くというのは精製の基本のキだ。それすら取り除けていないとすれば、それ以外の不純物もいろいろ含まれているだろう。そうした不純物も人体に予想外の事態を引き起す可能性があることは、トリプトファン事件ですでに実証済みだ。
遺伝子組み換え技術を使ってつくられたワクチンとして日本で初めて認可されたのが、子宮頸がんワクチンだ(サーバリックスが最初)。そして、ほかのワクチンとは比較にならないほど高い率で副作用が発生している。
とすれば、このワクチンが「遺伝子組換え技術を使ってつくられている」ということも、副作用多発の一因である可能性は否定しきれないだろう。

例えば杉並区では副作用のため1年3カ月もの間学校に通えなくなってしまった女の子がいて、いまも全身の痛みに襲われ、歩行障害、計算障害などさまざまな症状に苦しんでいるんだが、はじめは「線維筋痛症」が疑われたことが、お母さんのブログにも綴られている。

繊維筋痛症は全身が耐え難い痛みに襲われるという病気だ。好酸球増多筋痛症候群と症状が似ていて、専門家の間でも「臨床的、血清学的に類似性を持つことが指摘されて」いるらしい。

子宮頸がんワクチンを打った後で全身のあちこちが激しく痛むようになった、と訴えている被害者は杉並区以外でも、日本中にも何人もいる。これは遺伝子組み換え技術によってもたらされた不純物とは関係ないんだろうか?

遺伝子組み換え技術を使ってつくられたワクチンは、本当に安全なのか。ボクはどうも信頼する気にはなれないね。

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