第3章 必要性がない
●ワクチンの有効な年齢層での死者はゼロ
子宮頸がんワクチンの効力が確認されている期間は9.4年(2013年3月現在)。
子宮頸がんワクチンの接種推奨年齢は小学校6年~高校1年なので、接種時平均年齢を14歳と仮定しよう。すると、確実に効果があるのは23歳までということになる。その年齢で子宮頸がんによる死者はどれだけいるのかな? 統計を見てみよう。
年齢層別、日本女性の子宮頸がんによる死者数(2011年)
24歳までの死者数はなんとゼロだ。
HPVに感染してからがんが成長するまで10年くらいかかるといわれているが、それを考えて34歳までの死者を見ても、日本全国で年間わずか87人しかいない。
死亡者が多いのはむしろ中高年。それなのに、莫大な税金を投入して、小中高校生にワクチン接種することは理に適っているのだろうか。
●子宮頸がんの死亡率は高くない
そもそも、子宮頸がんによる死者は他のがんと比べて特に多いというわけではない。
女性で一番多いがんは大腸がんで、肺がん、胃がんがそれに続く。子宮頸がんによる死者は大腸がんの1/7以下だ。子宮頸がんによる死者数は年間女性10万人当たり3.9人に過ぎないんだよ。
がんの種別による死亡率(女性10万人当たりの人数)2009年
●定期的な検診で確実に予防可能
子宮頸がんが心配なら、1年に1回か2年に1回、検診を受ければよい。
たいていの自治体では20歳以上の女性は無料か2000円程度の低料金で検診が受けられるようになっている。
検診には細胞診とHPV検査の二通りがあって、どちらも子宮の入り口部分の細胞を軽く擦って取り、調べる簡単な検査だ。2つの検診をすれば、がんや前がん病変はほぼ100%発見できるとされている。
どのみちワクチンで予防できるのは50%だけなんだから、確実に防ごうと思ったら、検査はいずれにせよ必要なんだ。
検診で前癌病変がわかれば、まずは経過を観察し、場合によってはその部分を切除することで、子宮頸がんになるのを防ぐことができる。子宮頸がんになっても初期の段階なら、やはり切除するだけで簡単に治療できる。いずれにせよ、膣から処置ができるので、開腹手術の必要がない。病院によっては日帰りで済んでしまうほどの、簡単な処置なんだよ。
検診で簡単に予防でき、発がんしても簡単な手術で治療できるのに、わざわざ重大な副作用の危険を冒してまでワクチンを受ける必要が一体どこにあるんだろう? ボクにはまるで理解できないね。